海外 水道 民営化 成功例

長周新聞社・代表者 三井幸彦 x��]Y��~�?�����/ ��=�!+�A�AQd�K�sCȿO�Z�v�T��3>0�Y��Sg��a���?||�޼y?|����u�Ư��_��û������>�����O_��K�_?���m7N��_/_�������c�����s��^t�|z��Ͽ龼|1�{����;�zm�w?�|�f�=��f�{�s���~����������w/_�ſ�K���/_��_���$lo�A���}ݝ�G����PB�ޑb���N]��=��w�o��=��×�ݫO_^��o�_�qqAZ�[�Y�z���B��! ー水道事業、民営化に道 海外では料金高騰・水質悪化例もー 公共部門の民間開放を政府が進めるなか、水道事業にも民営化への道が開かれる。事業の最終責任を自治体が負ったまま、民間に運営権を長期間売り渡せるようになる。 <> 6g����u�����\���u��� K`�{xB�"�0�� yF�-;�1 VXZ4�}/���p��lM��s�j�*B�V�G ��t�H��({%�l��t߿�!�K�.�Mo�Z]����2��f95E�3&KaO��ڮ�}�ٛ��2!�Ⴓ���r�$\xh�z�d"�&4�E� [���I�5����q�01����� +?������e%f�[�T��:: ���|*���������I[����=��[�[�*�����m�Qf�� だれもが人間生活に欠かせないライフラインと認める水道。安全な水が届かなければたちまち料理も洗濯も困難になり、農漁業や製造業もできなくなる。水道が止まった時の厳しさは、震災や豪雨災害を受けた被災地の現実を見てもはっきりしている。, だがこの「水」の安定供給を脅かす法整備が急ピッチで動き出した。安倍政府が成立を急ぐ「PFI(民間資金を活用した社会資本整備)法改定」は、水道事業の売却を促進する内容である。すでに水道事業民営化は欧米でも中南米でも、極端な料金値上げや水質悪化を招き、世界で約180自治体が公営に戻している。水道民営化がなにをひき起こしたか、現実を直視することが不可欠になっている。, 安倍政府は、地方自治体が運営する公共インフラの民間売却を促進するため、PFI法改定案を今月22日招集の通常国会に提出する。これまで上下水道や公共施設の運営権売却には「地方議会の議決」が必要だった。それを改定案で「地方議会の議決は不要」とし、自治体が条例を定めただけで売却可能にすることが眼目だ。地方自治体の承認が必要だった料金改定も、運営企業が料金を決めその額を通告するだけで手続完了にする。それは住民の批判意見を無視して上下水道事業の民間売却を強行し、営利企業による自由な料金値上げを認める内容である。首相をトップとする相談窓口をもうけてインフラの民間売却に携わる自治体や民間企業を国をあげて全面バックアップするほか、運営権売却にかかる自治体の財政負担の一部減免も盛り込んだ。, 全国の水道事業は水道管などの老朽化が進み、設備の更新・保守点検が不可欠な時期に来ており、国土交通省は上下水道などインフラの年間維持費が2013年度の3・6兆円から大幅に増え、2030年度に5・1兆円に達すると見込んでいる。ところが安倍政府は、設備更新に必要な予算を配分するのではなく、「民間のより自由な運営を促し、サービスの効率化や質の向上につなげる」と主張し、運営権を売却する「公共施設等運営権制度(コンセッション)」方式を推進した。それは民間企業主導で人減らしやコスト削減を実行させることが目的である。, そうした動きに対し、一昨年3月には奈良市で上下水道のコンセッション方式導入に向けた条例改正案を市議会が否決した。大阪市でも昨年3月、橋下徹前市長が提案した水道事業民営化関連議案を大阪市議会が否決した。, 昨年3月には民間企業による自由な料金改定を認め、災害時には地方自治体が運営企業に復旧費を援助する内容を盛り込んだ水道法改定案を閣議決定したが、これも水道民営化を危惧する地方自治体や地方議会の批判世論を反映し、昨年9月に廃案となった。そのなかで今回は市議会における論議すら認めず、首長の一声で水道民営化を実行できるPFI法改定に着手している。, 参入する民間企業は海外の水メジャーである。昨年10月末、水メジャーのヴェオリア(仏)やオリックスなど6社の企業連合が浜松市と下水道施設の運営権売却について正式契約を結んだ。企業連合は今年4月から20年間事業をおこなう予定で、従来の事業費と比べ14%(87億円)のコストダウン実現を目標に掲げた。企業連合が浜松市に払う運営権対価は25億円で、コスト削減をするほどもうけ部分が大きくなる仕組みだ。ヴェオリアにとどまらず、スエズ(仏)、シーメンス(独)、GE(米)、IBM(米)など欧米の水メジャーが日本の水市場を虎視眈眈と狙っている。安倍政府が推し進める水道事業民営化は、日本の水市場を国主導で外資大手の餌食にする道へ通じている。, 内閣府はフランスが上水道の6割、下水道の5割を民間が運営している例などをあげ「海外では水道の民営化が時代の流れ」と吹聴している。だが世界の主要都市では民営化した上下水道事業の「再公営化」が潮流になっている。, フランス・パリでは1985年から25年間、スエズとヴェオリアの子会社が給水事業をおこない、浄化・送水・水質管理業務は、SAGEP社(パリ市が70%を出資)がコンセッション契約で担当した。すると2009年までで水道料金が2・5倍以上にはね上がった。水道管が破損しても送水管や給水管の境界が不明確であるため、2つの水道会社が工事を押し付けあい、トラブルが続出した。, 高い水道料金と漏水工事が遅遅としてすすまない現実に住民の怒りが高まるなか、2001年に当選した新市長が2010年1月から再公営化した。これ以後、民営化契約の解除や更新を拒否する自治体が増加し、グルノーブル(仏)、ベルリン(独)やアレニス・デ・ムント(スペイン)も民営化を公営へ戻している。, 米アトランタ市は1998年に市営水道事業をUWS社(スエズの子会社)に委託する契約を締結した。全米最大の水道事業民営化で、国際的に注目を集めたが、わずか4年間で契約解除となった。配水管が壊れてまともに給水できなかったり、泥水の噴出があいついだからだ。住民の通報を受けても修繕工事は遅遅として進まず、水道の蛇口から泥水が出る生活を強いられるなか、再び市営に戻す動きとなった。アメリカではインディアナポリス市(10年)、オークランド郡(14年)も再公営化している。, 民営化の先進例と宣伝されてきたイギリスも、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4地域のうち、北アイルランドは直営で最初から民営化しておらず、スコットランドは公社が運営している。民営化の道を歩んだウェールズも12年後に、地元投資家が設立した非営利事業団体が水道会社(米国資本)を買収し非営利の経営に変えている。, ロンドンを含むイングランドだけ1989年から外資に依存した水道民営化を継続しているが、その後10年間で水道料金は値上がりし、水質検査の合格率は85%に低下し、漏水件数は増加した。イングランドでは質の悪い水に高額な水道料を支払ったうえ、いつ外資の都合で水の安定供給を止められてもおかしくない状態に置かれている。, 水道事業民営化は欧米資本が世界各国の市場をこじ開けるテコにしてきた。インフラの根幹を支配すれば、国全体を容易に支配できるからだ。新自由主義施策の具体化で欧米資本が殴り込みをかけた中南米でも、住民のたたかいで水道事業民営化を公営へ戻す都市が多数出ている。, 「水戦争」で知られるボリビア・コチャバンバは世界銀行監視下で1999年9月、市営上下水道を民営化した。不透明な入札を経て、ボリビア政府は水道事業を米企業ベクテルに売却した。ベクテルはすぐ水道料金を3倍に引き上げ、住民が貯水槽に貯めていた雨水の料金まで請求した。一方、料金を払えない世帯への給水は即停止した。こうした横暴なやり方に批判が高まり、抗議行動が始まった。警察や軍が武力弾圧に乗り出しても市民は行動を継続した。政府にベクテルとの契約破棄を求める住民投票では賛成が過半数を得て圧勝した。この結果を政府は無視したが、住民の1週間をこすゼネストでボリビア政府に敗北を認めさせた。ベクテルは2004年4月に撤退をよぎなくされ、コチャバンバの水道事業は7カ月で公営に戻った。, ボリビアの首都ラパスも1997年に同市と近隣のエルアルト地区の水道サービスをスエズ子会社に任せ大矛盾となった。スエズ子会社は全住民に給水するという約束を守らず、貧困層の20万人には給水しなかった。さらに水道の接続料として450米ドル(貧困世帯の2年分の生活費に匹敵)を請求した。下水施設の整備も同市の貧民街に溝を掘って汚水を流すものだった。, 貧困層が暮らす地域の学校や病院が水がないため運営できなくなるなか、住民は大規模なストでスエズ撤退を要求した。10年間のたたかいを経て2007年に大統領を退陣に追い込みスエズを撤退させた。水道事業を公営に戻した新大統領は「水を民間ビジネスに委ねることはできない。水道は基礎的なサービスとして、国家が担い続けなければならない」と表明した。, スエズとアグアス・デ・ビルバオ(スペイン)の2社が参入したウルグアイでは、高い料金で水を得られない住民が続出した上、いい加減な水源管理でラグーナ・ブランカ湖の水を干上がらせた。さらに民営化に伴う契約料すら支払わない事態となった。ウルグアイではこの営利企業を住民運動で撤退させ、2004年の憲法改正で「水へのアクセスは人権で、上下水道サービスは中央政府が管轄するべき」という規定を追加している。, そのほか、汚水垂れ流しで肝炎を大流行させたベクテル子会社を撤退させたエクアドル、水道民営化を拒絶し続けているコロンビアのボゴダ、下院が水道民営化を否決したパラグアイ、裁判所が下水インフラの民営化に否定的な判決を下したニカラグア、一端民営化したが公営に戻したアルゼンチンのブエノスアイレスやトゥクマンなど、中南米では水道事業の公営堅持が時代の流れになっている。水メジャーが乗り込んだ反面の実体験からライフラインを破壊する欧米の水メジャーを排除し、水道事業を公営で堅持する世論と行動が強まっている。, 南アフリカは1955年の自由憲章で水資源を公的に管理する方向を明確にしていたが、1994年にIMF主導で水道事業民営化を押しつけた。スエズやバイウォーター(英)が参入した結果、水道料金は6倍にはね上がり、料金未納で1000万人以上の水道が給水停止となった。多くの住民が汚染された小川や遠くの井戸、池、湖から水を得るしかなくなりコレラが大流行した。クワズールーナタル州だけで12万人もコレラに感染し、300人をこす死者が出た。それでも民間水道会社はなにも対策をとらず、政府が給水車を出して救済にあたった。こうした経験を経て住民は水メジャーが設置したプリペイド式メーターを壊して民営化反対の運動を展開し、2002年末に一定量の水道水を無料化した。アフリカではマリやガイアナ、モザンビーク、ダルエスサラーム(タンザニア)なども民営化した水道事業を国営に戻している。, フィリピン・マニラでは1997年に民営化し、スエズを含む複数の民間企業でつくるマニラッド・ウォーター・サービシズ(西地区)とマニラウォーターカンパニー(東地区)と契約した。当時約束したのは①水道料金の引き下げ、②2006年までにエリア内の市民すべてに水道を行き渡らせ水道管の漏水を大幅に減らす、③2000年までに世界保健機関(WHO)が定める水道水と下水排水の水質基準を満たす、というものだった。, だがマニラッドもマニラウォーターも料金を大幅に引き上げた。しかもマニラ西地区は2003年10月にはコレラが大流行し、7人が死亡し600人以上が感染した。フィリピン大学は事後調査で水道水が大腸菌で汚染されていたことを明らかにした。水質向上が実現していないことは明白である。さらにマニラッドは貧困層が住む地域への水道管敷設を拒み、水道が届かない人に水を分けたり売ることまで禁じている。, アジア地域でも97年にベトナムがスエズとの下水道契約を打ち切り、2005年にはマレーシアで水道事業民営化法を撤回させている。カトマンズ(ネパール)やクアラルンプール(マレーシア)、ジャカルタ(インドネシア)などが民営を公営に戻した。イギリスの公共サービス国際研究所の調査によれば、2000年以後15年間で上下水道の再公営化に踏みきった都市は世界で約180都市(35カ国)にのぼっている。, こうした反面の先行事例の教訓から、再公営化の世界的な流れに逆行し、いまだに水道事業民営化を推し進めるのが安倍政府である。もともと水道民営化の動きは2001年の小泉改革から始まった。物流部門の規制緩和や郵政民営化に続いて水道法を改定し、これまで市町村運営だった水道事業に民間企業の本格参入を可能にした。, そして2013年4月には、米ワシントンDCにある超党派シンクタンクCSIS(米戦略国際問題研究所)で麻生太郎が講演し「日本の水道をすべて民営化します」と公言した。それは欧米企業が日本の水事業に自由に参入できるようにするという宣言だった。水道施設、水源地がみな欧米企業に乗っとられた場合、水は自由に飲めなくなり、水質汚染で病気感染が拡大するのは世界各国の豊富な事例が証明している。それは農漁業、製造業など全産業にかかわる問題であり、国の存亡にかかわる問題である。, 歴代政府は電信電話公社を民営化して電話や通信部門を欧米企業に明け渡し、アメリカの要求にそって国鉄を民営化した。その結果がJR宝塚線の大事故であり、昨年は新幹線のぞみを台車に亀裂が入ったまま走行させ、あわや大惨事という事態を招くことにつながった。郵便事業の民営化も、国民の資産である郵貯資金を外資が食い物にすることを認め、全国の僻地の郵便局を「不採算」と称して閉局に追い込んでいくものだった。その延長線上で国民生活に不可欠な水道事業まで民営化し、外資の参入を野放しにした場合、良質な水の安定供給が危機に陥るのは必至である。とりわけ僻地や貧困世帯が暮らす地域では「不採算」や「料金未納」を理由にした給水業務うち切りも現実味を帯びている。, 水という人間生活に欠かせない社会インフラが私企業の利潤追求の道具として握られ、カネがなければアクセスできないという本末転倒が真顔でやられている。それは郵便物を届けるという郵便局本来の役割を否定した郵政民営化や、安全に運行して人や荷物を運ぶという列車の役割を否定して、もっぱら利潤追求にのめり込んでいるJRの状態が象徴するように、その職種や産業が本来果たさなければならない社会的役割や使命を否定して、なによりもカネ儲けが優先されるという転倒と共通している。社会があって私企業が存在するのではなく、私企業の利潤のためには社会や人人の暮らしがどうなろうが構わないという性質のものだ。, 世界的に公営化が潮流になっているなかで、いまになって民営化に舵を切る安倍政府の異常さはいうまでもないが、社会的悲劇を招いてから対処するのではなく、公営化を堅持させる世論と運動を強めることが求められている。, 長周新聞は、いかなる権威に対しても書けない記事は一行もない人民の言論機関として1955年に創刊されました。 再公営化される海外事例を学んでいない. <> ■銀行振込口座番号 <>>> 仏ヴェオリアら6社の企業連合が、浜松市の下水道施設の運営権売却(コンセッション)について正式契約を結んだことが報じられました。コンセッションは民間の力を活用し「稼ぐインフラ」を目指すもので、水道事業での活用が今後広がるのかが注目されます。 ホームページの愛読者の皆さまに本紙の定期購読とカンパによるご協力を訴えるものです。 ■郵便振替口座番号 海外では、水道事業を民営化した後、様々な問題が生じて公営化に戻す「再公営化」の動きが目立つそうで、2000年から2015年の15年間で、37カ国235都市で再公営化がされているそうです。 1989年イギリスはサッチャー政権下で、電気、ガス、通信、鉄道、航空に続いて水道サービスの民営化を行いました。当時、河川流域ごとに10にわかれた国営の地域水管理会社があり、総合的な水管理、サービスを供給していました。これらが完全民営化(民間売却)されたのです。正確にはイングランド、ウェールズの地域水管理会社の完全民営化で北アイルランド、スコットランドは公営を守りました。ウェールズはその後2000年に非営利の協同組合形式に転換しています。なので、この先はイングランドの完全民営化と呼びます。上下水道サービスは自然独占なので、サービス利用者の利益を保護するため、価格とサービス基準を規制するオフワット(OFWAT:Office of Water Services)が設立され、水質基準には他の機制機関が担当しています。, イングランドの完全民営化は、官独占に競争原理が導入され、独立の機制・監視機関が機能している成功例と度々紹介されていますが、果たしてそうでしょうか?今日、イングランドの民間水道会社は大手メディアの批判にさらされているだでなく、批判的な検証が多くの研究機関から発表されています。そして最近の世論調査では70%の国民が再公営化(国有化)するべきだと言っているのです。市民がそう願う理由がたっぷりあります。完全民営化から25年、完全民営化の現実を見ていきましょう。, 現在、イングランド民間水道会社の多くはプライベート・エクイティー・ファンド(訳注) かアジアの多国籍企業が所有しています。この形態のもとでイングランドの民間水道会社は、年間で約3500億円(£2 billion)の純利益をあげています。一方で、水道サービスへの投資は利子の低い公債を借り入れています。この意味はもし水道会社を国有化すれば、一世帯の水道料金は年間で14000円(£83)、20%安くなるということです。, もう少し具体的に知るために首都ロンドンに行きましょう。ここに水道会社の金融化の好例があります。テムズ・ウォーター社(以下テムズ・ウォーター)は英国最大の上下水道サービス会社でロンドンを含むテムズ川流域の1500万人(英国の人口の27%)にサービスを提供しています。, 複雑化するテムズ・ウォーターの所有形態と金融化テムズ・ウォーターはもはや水道会社の体を失いロシアのマトリョーシカ人形のようになっています。民営化から25年たった今、テムズ・ウォーターは´億万長者銀行´と揶揄されるオーストラリア投資銀行マッコーリーに率いられるコンソーシアムに所有されています。持株会社の株式持ち合いが繰り替えされ、結果として水道サービスを供給する会社と最終的な株主との間に現在5つの中間会社が存在しています。そのうち2つが市場で資金を調達し、そのうちの一つは租税避難地(タックス・ヘイヴン)であるケイマン諸島にあるのです。この形態で株主利益第一、消費者が最後という構造が出来上がっています。, 過剰な借入れと株主配当ロンドンでは下水施設の許容量が間に合わないため、一部適切に処理せれないまま下水がテムズ川に放出される状態が続いていて、国際基準にも抵触している危機的な状況です。テムズ・ウォーターは川下70メートルに20マイルのトンネルを作り、処理した下水を海に放出する施設投資を行う必要を長年認識していますが、その費用は約7000億円(£4bn)と見積もられています。2012年、テムズ・ウォーターは511億円(£279.5m)を配当金として株主に配分しました。一方で同年テムズ・ウォーターが収めた税金は0。よく使われる手法ですが、過剰な借入れを行い利子払いで赤字を計上することで税金を回避できます。ヨーロッパ開発銀行の専門家の試算によると、もし過去10年間テムズ・ウォーターが株主配当を行わず、かわりにその資金を積み立てていれば、公的資金借入れも水道料金値上げもなしに下水施設近代化のための7000億円があったはずだと報告しました。健全な資金運営を行うならば、テムズ・ウォーターの背後にいるプライベート・エクイティ・ファンドの価値は2006年から2/3にとどまるべきですが、実際には価値が10倍になっています。, 事実2007年から12年の5年間のうち3年間、株主は税後の純利益よりも多い配当金を得たのです。これが意味するところは過剰に配分した利益は単に会社の債務になっているのです。5年間で債務は約2倍の1兆3500億(£7.8bn)に膨れました。, 新しく規制機関オフワットのトップに就任したジョンソン、コックスは水道会社が危険なまでの負債を抱えていることを危惧しています。1ポンドの資本に対して4ポンドの借入れをするのは、危険なだけでなく、それが税金納入回避のために行われていること、結果として負の影響を受けているのは水道サービス利用者であると指摘しました。危険なまでの過剰な資金の借入れは、近い将来倒産する危険性が大いにあり、そうなれば金融危機で銀行が破錠したのと同様に公的資金での救済ということになりかねません。ちなみにこのようなリスクは公営のスコットランド水道公社にはまったくありません。, 研究者は「巨大なレベレッジ債務は消費者が負担する水道料金の値上がりという犠牲によって、投資家への過剰利益還元を可能にしている。もちろん株主だけでなく、企業の管理職、それぞれの中間会社の間にいる法律家、会計士、金融業者もその恩恵を多大に受けている。テムズ・ウォーターの最高経営責任者は2億2300万(£1.29m)の報酬を得た」と報告。テムズ・ウォーターの5年間での配当金の合計は約3118億円(£1.8bn)です。, 残念ながらテムズ・ウォーターだけでなく他の民間水道会社も似たり寄ったりの経営をしています。例えばイングランド南岸地域でサービスを供給するサウザンウォーターはサウザンウォーターキャピタルに所有されていましたが、2007年にLtd JPモルガン・チェースが率いるコンソーシアムに買収されました。Ltd JPモルガン・チェースは2012年に約4318億円の純利益をあげました。, このような事実は2012年後半から2014年現在まで英ガーディアン紙などが数々の記事を発表し人々の知るところとなったのです。この批判は大企業擁護、新自由主義で知られるフィナンシャル・タイムズ(FT)でも大きく取り上げています。有料記事でリンクが張れませんが。, シンクタンクCentreForumが2013年に出したレポート「お金は排水口へ:水道産業から消費者を守るために」は上記のような現象を詳しく検証、分析します。このレポートはまたイングランドの水道民営化において公益性を確保するための規制機関オフワットが効果的に機能しているという楽観的な認識を打ち壊すものでした。というのもこの政策提言レポートはオフワットの前会長イアン・バイアット(Sir Ian Byatt)の支援を受けて、民間水道会社の金融活動を痛烈に批判しているからです。, レポートによると株主への利益還元を最大化するための戦術は、国外に資金を逃す構造的な税金逃れのしくみと、意図的に過剰に借入れをしてインフラ整備のために資金拠出ができないというレベルまで負債を膨らませるという戦術で成り立っています。好例が上記のテムズ・ウォーターで、何年も巨額の利益を上げながら、下水施設の近代化の費用は納税者に新規の負担を求めているのです。, 民間水道会社の過剰な投機行為は水道利用者に負のドミノ効果をもたらしています。水道料金の値上げは過剰に借り入れた負債の利子の支払いのために必要で規制機関はそれを容認せざるを得ません。民間水道会社にとってオフワットに5年毎の料金値上げの上限(cap)をあげさせるのは容易です。どのようにするかというと、民間水道会社は先5年の資本維持費用を高く申請し、実際にはそのかなりを使わないで、利益に回すということを過去25年間やってきました。結果ロンドンの下水処理施設は今に至って老朽したままです。, CentreForum は水道という市民の生命と健康にとって重要な産業において、また市民に供給者の選択の余地のない独占産業で、市民が過剰な料金を払わされれた上に株主が巨額の利益を持ち去るという状況は社会的に容認することができないと言っています。議会と規制機関が水道産業により厳しい規制を要求するべき時期にきています。, そもそも水道民営化は、経済性と管理が公営より優れているという主張に基づいて導入されます。経済性の恩恵は、投資の拡大、公的資金より高い価値があるとされる民間企業による投資、公営より優れているとされる民間による効率性の向上が説かれます。管理については、規制機関が消費者を過剰料金から守り、政治から独立した規制機関が政治に左右されず長期的な視点で管理を行い、市場による適切な競争が消費者に利益をもたらすと主張されます。民営化大国のフランス、イギリスにおいて、これらの前提がことごとく実現していない実証的な研究が、さまざまな研究機関から発表されていますが、とくにグリニッチ大学(ロンドン)の国際公務労連研究ユニット(PSIRU)は長年にわたってイングランドの完全民営化を包括的に検証してきました7。以下はPSIRU のレポートを中心に様々な論点を見ていきましょう。, 水道料金水道民営化と料金高騰には相関関係がないと主張する機関は多いですが、国際公務労連研究ユニット(PSIRU)によると、フランスでは民営水道は公営水道より料金が16%高いという調査結果があります。民営化による水道料金高騰は全世界的な現象ですが、英国でも同様です。現金ベースで見ると 1989年に平均年間£120 (20800円)だった水道料金負担は2006年には£294(51000円)。17年間で 245%の上昇となっています。民営化後17年間で、他の物価上昇の平均よりも水道料金は39%高くなりました。この上昇傾向は続き2007ー8年の世帯平均料金(水道、下水)は£312(54000円)。インフレ率を差し引いた実質値上げ率は1989年比で42%です。一方で水道運営コストは変わっていません。これは料金高騰の結果が株主の利益に還元されていることを表します。, 他の統計ではこの10年間で電気料金は140%増、水道料金は74%増になりました。この時期の世帯の収入増は20%です。またスコットランド、ウエールズ、イングランド間の興味深い比較もあります。2012年1月に規制機関オフワットは向こう5年間の水道料金値上げ率を発表しました。これによるとイングランドの民間会社の平均値上げ率は8.2%で、ウエールズ の非営利水道会社の Glas Cymruは3.8%、公営を保っているスコットランドは値上げなしです。この違いは水道会社の所有形態から来ています。公営のスコットランドは株主への配当圧力がありません。結果2009年からの5年間、価格維持を発表するに至りました。 ウエールズは2001年に民間企業 Hyderがつぶれて協同組合経営になり、2010年9月の料金は前年比で£4安くなりました。テムズ・ウォーターの値上げ率は6.7%、別の民間会社サウザンウォーターは8.2%です。, この値上げ率を理解するもう一つの統計を紹介しましょう。シンガポールの水道公社PUBは世界でもトップクラスの水道サービスを提供することで知られています。そのPUBが最後の水道料金値上げをしたのは2000年。2000年以来、平均世帯収入は31%増加しました。水道料金は据え置きなので、実質料金は低下しており、世帯収入に占める水道料金の割合は1%以下となっています。, 水貧困水道料金をめぐる状況は深刻です。2012年にヨーク大学の研究者がまとめた「イングランドとウェールズにおける水貧困」の研究結果によると、民営化から25年たった現在、英国で23.6%の家庭が家計の3%以上を水道料金に当てる結果になっており、そのうち半分は5%以上を払う結果になっています(2009-2010年の統計)。国連開発計画(UNDP)は水道料金が家計の3%を越えると「支払い困難」だとしていて、この数値は米環境保護庁によると2-2.5%となっています。この「水貧困 (water poverty)」に特に低所得世帯、単独世帯が陥っています。, 効率性と生産性民間は公営よりも効率的であると主張され多くの人がそれを信じていますが、学術機関による2008年の包括的な研究は、「コストと効率性において民間と公営に違いは見つけられない」とし、2004年、2005年の国際通貨基金(IMF)と世界銀行(民営化を推進する国際機関として知られる)の包括的な研究結果も同じ結論に達しています。イギリスの民営化後11年の検証では「最新技術の導入にもかかわらず民間による効率性は民営化以前の公営より低下した」と結論づけられました。水消費者協議会が定期的に行っている消費者満足度の調査の結果によるとテムズ・ウォーターは金額に見合う価値、下水処理サービスの満足で、最下位に近い成績です。一方で ウェールズは2000年に非営利の協同組合形式に転換しDwr Cymruが設立されサービス供給を行っていますが、こちらはほぼすべて)の項目でトップに近い結果となっています。, 漏水率ガーディアン紙の記事によると1980年のイングランドの漏水率の平均は24%、現在の平均は22%(2013年)です。1989年の民営化後、オフワットは漏水率を3分の1にすることを目指していたがまったく実現していません。イングランド4大手の2012年の漏水率は以下の通りです。テムズ・ウォーター26%、セブントレントウォーター 27%, ユナイテッド・ユーティリティー 26%, ヨークシャーウォーター25%.

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